帰国子女の子や、塾でかなり先取りしている子が、授業を簡単すぎると感じているようで、退屈そうにしています。かといって、その子たちに合わせると他の生徒がついてこられません。得意な生徒を飽きさせず伸ばすには、どうすればいいでしょうか。(中2担当)
全員を同じ課題で縛らない。上限のない課題と役割で伸ばす
上位の子が退屈するのは、課題に「上限」があるからです。穴埋めや訳のように正解が一つの課題は、できる子にとってすぐ終わってしまいます。かといって授業全体を難しくすると、他の子が沈みます。鍵は、同じ課題でも深めようと思えばいくらでも深められる形にすることと、得意な子が力を発揮できる役割を用意することです。全員に同じ天井を課さないのがポイントです。
対策1: 正解が一つでない、オープンな課題を混ぜる
到達点を決めず、深めた分だけ評価される課題を入れます。
- 「自分について3文」でなく「書けるだけ書く」にする
- 条件を満たせば加点、さらに工夫すればもっと加点、と伸びしろを作る
- 表現を増やす・理由を足す・比較を入れる、と上に伸ばせる余地を残す
同じ課題でも、得意な子は上へ、苦手な子は基礎へと、それぞれ動けます。
対策2: 活躍できる役割を与える
余った力を、教室に還元してもらいます。
- ペア活動でモデルを見せる役、説明する役を任せる
- ALTとのやりとりの口火を切る役をお願いする
- 得意を認める場面を作り、退屈を活躍に変える
対策3: 早く終わった子の「次」を、常に用意しておく
手持ち無沙汰の時間が退屈を生みます。発展の選択肢を常設します。
- 早く終わったら取り組む発展問題・多読の本を用意する
- 「終わったら〜していい」を最初に示しておく
- 待たせず、次に進める道を開けておく
得意な子への配慮は、教室全体を引き上げる
退屈そうな上位の子を持て余さず、天井のない課題と役割で力を出し切らせると、その子が伸びるだけでなく、教室全体の学びも引き上がります。オープンな課題を混ぜ、活躍の役割を与え、発展の選択肢を常設する。この3つで、できる子も、そうでない子も、それぞれの高さで学べる授業に近づきます。全員に同じゴールを課すのをやめることから始めてみてください。