ドリルの穴埋めや選択問題はできるのに、いざ英作文やスピーキングになると、習った文法がまったく出てきません。「わかる」と「使える」の間に大きな溝があります。この溝はどう埋めればいいでしょうか。(中3担当)
「わかる」と「使える」は別の力。使った回数が足りていない
穴埋めが解けるのは、目の前の空所に集中して知識を当てはめる力です。話す・書くは、ゼロの状態から自分で文を組み立てる力で、必要な脳の働きが違います。前者ができても後者が自動化するわけではありません。溝の正体は理解不足ではなく、「自分の言葉で使った回数」の不足です。だから対策は、説明を増やすことではなく、使う場面を増やすことになります。
対策1: 穴埋めの次に「自分の内容で一文」を必ず置く
知識の確認で終わらせず、同じ文法を自分のことで1文つくらせます。
- 穴埋め4問のあとに「この形で、自分のことを1つ書く」を必ずつける
- 当サイトの定着ドリルは、最後の設問が必ず自己表現になっている
- 内容は自由でよい。習った形が自分の文に乗ることを体験させる
穴埋めと自己表現の間に橋をかけるのが、最初の一歩です。
対策2: 正確さより回数。間違えていい場を毎時間つくる
運用力は、正しく1回書くより、多少崩れても何度も使うことで自動化します。
- 帯の Small Talk や1分間ライティングで、既習文法を毎時間使う
- その場では細かい訂正をしない(流れを止めない)
- 訂正は後でまとめて。まずは口と手を動かす回数を優先する
対策3: 「今日の文法」だけでなく、過去の文法も混ぜて使わせる
単元が終わると使わなくなる、が溝の温床です。既習を使い続ける仕掛けを常設します。
- Small Talk のお題に、あえて前単元の文法を混ぜる
- 帯ドリルを「今日の単元+復習1問」の構成にする
- 「一度習った形は、ずっと使う」と生徒に宣言しておく
溝は、埋める場所を用意すれば埋まる
「使えない」のは生徒の努力不足ではなく、使う場が足りていないだけのことが多いです。穴埋めの先に自己表現を置き、間違えていい反復の場を毎時間つくり、既習を使い続ける。この3つで、知識は少しずつ運用へ移ります。当サイトの定着ドリルは最後に必ず自分の文を書く設計にしているので、本文を自己表現につなぐ活用術の記事とあわせて、わかるを使えるへ橋渡ししてみてください。