受け身のテストは、能動態からの書き換え問題になりがちです。でも実際の英語で受け身を使う場面は「書き換え」ではありません。学校を紹介するとき、町の名物を説明するとき——「この写真はケンタが撮りました」ではなく「この写真は先週撮られたものです」と、モノを主語にして語りたいときに使う文法です。このサンプルは、2年前に帰国したALTのグリーン先生に「学校と町の今」を英語ニュースレターで届ける場面で、受け身を測る中間テストの設計見本です。
この教材で解決できる悩み
- 受け身の問題が「能動→受動の書き換えドリル」の寄せ集めになってしまう
- 中3の最初のテストで、中1・中2の抜けの診断もまとめて済ませたい
- 中間(受け身)と期末(現在完了)の範囲切り分けを、物語としても筋を通したい
物語は「帰国の知らせ」——期末で再会する先生
このテストの相手は、1学期期末版と同じグリーン先生です。中間は「帰国の知らせが届いた5月」。ビデオメッセージを聞き、チャットでお礼と近況を伝え合い、町の資料で滞在プランを考え、ニュースレターの記事を書く——全問が「先生に近況を届ける英語」です。
そして期末で、いよいよ再会します。そこで初めて現在完了——「先生が日本を離れてから2年間」の文法——が登場する構図です。中間=今の紹介(受け身)、期末=時間の幅の共有(現在完了)。文法の階段が物語の展開と重なります。
過去分詞に「2回出会う」階段設計
この切り分けには、もうひとつ狙いがあります。受け身も現在完了も、部品は同じ過去分詞です。中間で受け身の過去分詞(written・taken・used・known)をしっかり固めておくと、期末の現在完了では「be動詞+過去分詞」から「have/has+過去分詞」への組み替えに集中できます。過去分詞という新しい部品と、現在完了という新しい時制感覚を同時に導入しない——つまずきの多い中3前半を、テストの範囲設計で2段に分ける発想です。だから本版では、現在完了はリスニング台本からも排除しています。
大問構成
| 大問 | 場面 | 測る力 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 1 リスニング | 先生のビデオメッセージ+ニュースレター相談の対話 | 帰国の知らせの聞き取り・聞いて自分のことを書く | 20 |
| 2 文法・語い | 先生が参加した学級チャット(written/taken/known ほか) | 文脈の中の受け身+中1・中2の維持(三単現・過去形) | 20 |
| 3 場面のやり取り | ビデオ通話(写真の紹介・教室の紹介・機器トラブル・反応) | 場面に応じた表現の選択 | 10 |
| 4 資料読解 | 夏祭りのポスター+新図書館のお知らせ | 先生の希望と到着日を結びつけた滞在プランの判断 | 20 |
| 5 教科書本文 | 貼り付け枠+発問5層 | 概要把握と本文をふまえた表現 | 20 |
| 6 ライティング | ニュースレターの担当記事「学校・町のいまニュース」 | 「どう使われているか」を読み手に伝わるように書く | 10 |
観点比率は標準51:49。中1の57:43から学年ごとに思考・判断・表現へ比重を移し、入試の比重に近づける学年進行の設計はシリーズ共通です(使い方ガイド参照)。
大問6は「受け身を使え」と言わずに受け身を引き出す
ライティングの条件は「学校か町の新しいこと・じまんできることを1つ」「それがどう使われているか・どう親しまれているかを1つ」。言語材料は指定しません。「どう使われているか」という内容条件が、A new library was built last year. It is used by many students. のような受け身を自然に引き出します。指定がない状況で使えるか——それが技能の評価です。
シリーズの中での位置
年間は中間→期末(グリーン先生との再会・現在完了の初登場)→2学期(留学生Nina・後置修飾)→学年末(仮定法・3年間の総まとめ)と続きます。難易度は基礎版・発展版と同一場面・同一設計。学期制ごとの使い分けは使い方ガイドへ。